校長挨拶

2017-04-09_All_NyukouSiki_2551

 このたび、堺ラグビースクール4代目校長を務めさせていただくことのなりました奥田謙司です。私がこのスクールに携わらせていただくことになったのは、息子を入校させた10年前からです。そのスクールが昨年度に創立30周年を迎え、そして本年度から31年目をスタートさせました。この30年間、初代校長の中西先生をはじめ尾原先生、隅田先生の指揮の元、数多くのラグビーを愛する方々のご尽力により、現在大阪府下でも有数の大規模スクールとして名を響かせています。その由緒ある本スクールを今後ますます発展させ、末永く続けていていくためには、もう1度、初心に帰って原点を見つめ直すことが、31年目を迎える今、必要だと考えます。
それは、ラグビーを通しての「青少年の健全育成」です。最近では、ワールドカップやオリンピックでの日本選手の活躍により注目度が増してきたラグビーですが、30年前、ラグビー不毛の地と言われた泉州に、ラグビーに熱い想いをもった諸先輩方が、子どもたちのラグビーの精神「One for all,All for one」を培うべく発足したのが本スクールです。その結果、時代の流れとともに、その精神に共感した保護者・生徒・指導者が続々と増え、現在に至ります。ただ変わらないのはスクールが求めている子ども像(生徒のきまり)である「大きな声であいさつする子」「約束事を守る子」「いつもありがとうの心を大切にする子」「すすんで自分から行動する子」であります。これができているからこそ、堺ラグビースクールは他に自慢できるスクールなのです。しかし、年々ラグビーの指導技術が向上し、周りには強いチームも多くなってきました。当然、勝ち負けを争う競技ですから、勝つための練習に子どもたちは時に歯を食いしばりながらも、力いっぱいボールを追いかけています。ただ、それを教える指導者、それを応援する保護者が、万が一、練習や試合へ向かう道中やその活動中に公共のルール・マナーを守らなかったり、相手を誹謗中傷するような発言をしたりしたとしたら、それを見た堺以外の人はどう思うでしょうか。仮にその試合に子どもたちの必死の努力で勝利したとしても「なんや、堺は強いだけやん…。」と言われてしまったら、どうでしょうか…。
そこでもってほしいのが、子どもたちはもちろんですが、指導者も保護者も堺ラグビースクールの一員である誇り、すなわち“堺プライド”です。試合に勝っても負けても「さすが、堺ラグビースクールは素晴らしいなぁ。」と思ってもらえるスクールであることが、設立時の理念であると考えます。それが、本スクールの校長職を継承した私の思いであり、命を懸けて本スクールを守った一人の少年の願いであります。この堺プライドを、本スクールに携わる者全員で持ち続けていくことで、いつの日にか「さすが、ラグビーって素晴らしいなぁ。」と思ってもらえるようになるために、この堺から日本へ、そして世界へ発信していきたいと思います。その実現のために、これからも今まで以上の皆さんのご協力をよろしくお願いします。

堺ラグビースクール校長  奥田謙司